近年、メールマガジン運営のハードルはすっかり下がり、企業規模を問わずメールマーケティング(参照:メールマーケティングとは)にチャレンジすることが出来るようになりました。
地域に密着した事業を営む個人経営の商店でも、積極的にメルマガを運営している例は珍しくありません。
もはやメールマガジンは、潤沢な資金をIT投資に回せる、大規模な組織だけのメディアではないのです。
しかし、いざメルマガ配信を始めようとすると、様々な問題に直面します。
今回のエントリでは、メールマガジンを始めるときに、必ず必要になる「メール配信システム」を選ぶポイントについてまとめます。
目次
メール配信システムとは
メルマガを配信するためには、専用のシステムが必要です。
メール配信システムは、メルマガ読者の登録・削除といった配信先管理機能や、何百通、何千通という数のメールを効率的に配信する機能を提供してくれます。
メール配信システムを利用することで、運営者はメルマガの作成に集中出来るというメリットを得られるのです。
このメール配信システムを自前で用意するには多額の費用が必要なだけでなく、システム運用に関する専門知識も必須となるので、個人でメール配信システムを構築・管理するのは現実的ではありません。
そこで、有料・無料の外部メール配信システムを利用することになります。
最近はクラウド型のメール配信システムも増え、選択肢が随分と増えました。
メール配信システムを選ぶ時のポイント
メール配信システムを選ぶ際には、当然その機能に着目して選ぶことになるでしょう。
まだメール配信システムが少なかった黎明期においては、機能の多寡によって差別化がされていました。
しかし、最近はどのメール配信システムも機能が充実していますので、機能面での差異は少なくなっています。
このような状況になると、何を基準にメール配信システムを選定するべきなのか、その判断の根拠が不明瞭になります。
ワイメールでも、メール配信システムの導入をご検討中の方から多くのご相談を頂戴致しますが、様々なご案内を差し上げるなかで、これからメール配信システムを選ぶ際にご留意頂きたいポイントが幾つかあります。
メール配信システムの選び方:長く使えるシステムであること
メール配信システムの変更には大きな影響が伴います。
その影響は、メルマガ運営者だけでなく、メルマガの読者にも及んでしまいます。
メール配信システムを変えると、ほぼ例外なく読者様に届くメールマガジンの配信元アドレスが変わります。
例えば、日頃から愛読しているお気に入りショップからのメルマガの配信元アドレスが、ある日突然変わっていたら、誰でも訝しく感じるものです。
多くのメルマガ運営者は、メール配信システムの変更を読者にアナウンスしますが、その手間も決して軽微とは言えません。
メール配信システムの乗り換えには、大きな代償を伴うのです。
では、長く使えるメール配信システムとは、どのような条件を満たしたものなのでしょうか?
- 読者数の増加に柔軟な料金体系であること
- まじめにコツコツとメルマガ運営を続けていると、読者登録数は意外に増えるものです。
ワイメールのご利用を検討されるメルマガ運営者様からは
「登録読者数によって料金は変わりますか?」
というご質問をたくさん頂戴します。読者数によって利用料金が増減するメール配信サービスでは、運営中のメルマガが育つほど、運営コストを気にしなければならないのです。
読者数の増加に対して、柔軟な料金体系であることは、長くメルマガを運営するために、大切なポイントなのです。
- メルマガ配信数の自由度が高いこと
- メルマガを運営していると、同じ読者に対して異なるタイプの情報を発信したくなることが良くあります。
例えば、新製品のプロモーションとバーゲン情報の告知ではコンテンツのタイプが異なります。
これら、性質の異なるメルマガを、同じメルマガに詰め込んで配信するのは、些か乱暴というもの。
メルマガ運営者の多くは、複数回に分割してメルマガを配信しているはずです。
このような運営によって、メルマガの配信数も当然増加していきます。
もしメルマガの配信数が増えるごとにメール配信システムの利用料金が高くなるとしたら、メルマガの発行を躊躇してしまうかも知れません。
多くの読者様に対して、様々な情報をお届けするメルマガ。
その発行に二の足を踏むような事態は、本末転倒と言えます。
メール配信システムを選定する時に留意する点として、
「はじめからある程度の発行ボリュームを想定しておく」
という視点はとても大切なことなのです。
メール配信システムの選び方:自分だけのメディアとして育てられること
メルマガは、その発行者にとって、自身の情報を発信するための大切なメディアです。
メルマガを始めた当初は、信頼も低く、読者数も少ないかもしれません。
月日を重ねるごとに、メディアとしての信頼度も向上し、それと共に読者数や発行数も増えることでしょう。
配信数の増加と共に、メルマガ運営者はメディアの成長を感じられると思います。
しかし、メルマガの成長とは、読者数や発行数の伸び、それに伴う収益の増加という面だけではありません。
メルマガの配信元に関する信頼も、読者数と同じように成長しているのです。(参照:受信ブロックとIPウォームアップ)
メルマガ配信元の信頼とは、メルマガ配信システムに付随する属性です。
それは例えば、IPアドレスやドメインといった、インターネットに特有の技術的な特性です。
もし、あなたが運営するメルマガの配信元から、大量のスパムメールが配信されていたとしたらどうでしょう?
そのメルマガの配信元は、たちどころに信頼を失ってしまうのです。
一つのメール配信システムを、他者と相乗りして利用する場合は、このようなリスクを常に覚悟しなければなりません。
ご自身が始めるメルマガを、自分だけのメディアとして育てる。
そのためには、他者の干渉を排除する独立性(専用IPアドレス)と自身のアイデンティティーとなる独自性(オリジナルドメイン)が大切な役割を果たすのです。
長く使えるメール配信システムを選ぶ
メール配信システムを選ぶ際のポイントは多岐に渡ります。
今回は、メール配信システムの選び方について、ほんの幾つかのポイントをご紹介しました。
メール配信システムを安易に乗り換えることの弊害は、ワイメールの運営スタッフが常日頃感じていることです。
システムの使用方法を習得するにも、ある程度の投資が必要になることでしょう。
残念ながら、全ての要求を完璧に満足させるシステムはなかなかありません。
そのような中、絶対に必要な機能と、あれば便利かなという機能を取捨選択しながら、優先順位を明確にして、ご自身のスタイルに合ったメール配信システムを選んで頂ければと思います。
このエントリが、これからメルマガを始めるという方々のお役に立てれば、メール配信システムを運営するワイメールのスタッフとしても、とても嬉しいことです。
今後もワイメールをよろしくお願いいたします